メルーニャさんが何故萌えるか、あと如何に萌えるかというはなし。

  • シナモリアキラも、アズーリアもそうだけれども、自分がヒトを殺したことに対して、そしてヒトを殺すことに対して、許されたいと思っている。言い訳を探してもいる。
  • シナモリアキラは前世でも人殺しだったけれども、それは、自分が経済的に恵まれた側、“奪って殺す側”にいることに対して、それに目をつぶったまま生きるということが、つまり、無自覚に人を殺し続けているということに自覚していて、そしてそういう殺人者になりたくないので、逆説的に殺人を犯していたのだと思う。“人殺しになりたくないから人を殺す”。
  • アズーリアもシナモリアキラも人を殺すということがとても恐ろしくて、それに対して許しが欲しいとおもっている。
    • メイファーラさんとアズーリアさんの違いは、メイファーラさんは位階の第7位の天眼の民なので、殺して自分の立ち位置を示していないと次に自分が殺される側に回る、という“生きるために殺す”なので、それはそのまま正当化できる。正当化してもいないけど、ただ、それは殺しても良い理由、にはなりうる。自分が生きるために殺すというのは、誰もがもっている権利だ。
    • アズーリアの場合は、位階2位。アズーリアが塔を潜って、殺す理由というのは、妹を助けたいという願いの為に。そのために人狼種を殺して、異獣を殺して、屍の道を築いてる。
      • 結局、それを正当化する為に、槍神教の教えを内面化しようとしているけれども、していたけれども、さてどうなるのか。彼女がこの先、どの道を選ぶのかは、この作品のテーマだと思うので楽しみにしてます。
  • さて、で、メルーニャさんですよ。我らが白のメートリアンさんですよ。
    • メルーニャさんが、本当は情に厚い女の子だということは、ファリスで遡ってペレケテンヌルさんを吹っ飛ばしたときのエピソードでご存知と思いますが。(誰に話してるんだ)
  • さて、メルーニャさんは人を殺すときに、自覚的であろうと思っている。自分に酷い事をした相手への憎しみが強い分だけ、自分が酷い事をした相手には憎まれて当然、というか憎まれるべきだと思っている。人を殺すときに、人殺しの顔を。ヤるときにはヤる。ヤらなければならないときにはヤる。それも徹底的に、なにも残らないくらいに。なんとなれば、人殺しとして正しくないからだ。相手に憎まれて、殺してやると呪われて、人を殺すからにはそうしないとフェアではない。殺される理由を相手に押し付けたり、自分ではない誰かのせいにしたりしない。
    • っていう感じの人間だなーって勝手に思ってるんですけどね。
  • だから、ナトさんに、“ミルーニャはかえってナトに感謝されたりしていることがたまらなく嫌な様子で”っていうのが、もう、ミルーニャさんたまらんわーってなる。
  • 自分の事を憎んで呪って当然の相手に(むしろそうしてもらわないとならない相手に)許されて、感謝までされるというのはもう、本当に辛いんだろうなあと思う。それは安らぎでもあるけれども(そしてシナモリアキラがアズーリアから与えられて、アズーリアがシナモリアキラから与えられたものだ)でも、それを受け入れられない。
    • (ミルーニャさんたまらんわー)
  • あと、まあ、ナトさんも、ペレケテンヌルの三本足の民なので、ペレケテンヌルの巫女になった人間がどんな目に遭うかとか、その辛さとかも知ってたのかもしれないなー、それで同情とかもしたのかもなーって思う。大人だしなー。
    • ペイルとナトとイルスの三人は、地上編での一服の清涼剤、というか癒しなのでもっと出てほしい。